ANSER BOOK

その答え本にあり

無意識こそ真の自分の姿

人にはいろんなクセというものがあります。自分では無意識でしていることが他人から見たら滑稽に映ったりすることがあります。たとえば、なぜここで靴下を脱ぐの?なぜ電池を買いに行ったはずなのに、お酒だけを買って帰るとか。私自身も歩きながら歯磨きする変なクセがあります。そこで「無意識とは何か?」また「効果的な脳の使い方とは?」について、疑問に思ったので『脳には妙なクセがある』という本を読んでみました。

 

著者は、東京大学薬学部教授で脳研究者である池谷裕二氏。脳科学の視点から「よりよく生きるとは何か」を追求し、「楽しくごきげんに生きる」を研究のテーマとしてアウトリーチ(社会に有意義に還元する)活動をされている方です。

 

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【参考になった点】
■他人の不幸は蜜の味
脳に側坐核という部位あり、妬みや劣等感を感じるとその部位が強く活動するそうです。また面白いことに不安感情を抱いた時もその部位が強く活動することがわかっているそうです。
このことから不安を強く感じるときは、他人と自分を比較していて、自らが不安を作りだしているそうです。また、この側坐核は「快感」を生み出す部位であり、ヤル気やモチベーションアップにも深く関与していて、ヒトは他人と比較することで優越感に浸る一方で、不安感を募らせてしまう性(さが)にあるようです。だから私は他人との比較にこだわらず、自分の信念や自己ベストといったものを大切にしたいと思いました。

■笑顔を作ると楽しくなる
ドイツのミュンテ博士の論文によると、割り箸を横にくわえ口角が上がった状態(笑顔の表情)で「楽しい」と「悲しい」を連想させる複数の単語をランダムに配置し分類させる実験をしたところ、笑顔の表情を作った状態では「楽しい単語」を見つける時間が「悲しい単語」を見つける時間より短かったことがわかったそうです。つまり笑顔を作ることで楽しいことを見出す能力を高まったということです。また恐怖の表情を作ることにも同じ作用があり、恐怖の表情を作ることによって、恐怖の感情にスイッチが入るということがわかっています。これを「顔面フィードバック」効果と呼ぶそうです。また、表情以外にも姿勢にも同じことが言えます。背筋をピンとして姿勢を正すと自己肯定感が高まるそうです。このことから、感情起因よりも身体を起点とする働きかけが、精神や身体に与える影響は大きいと述べられています。「笑う門には福来る」とはよく言ったものですね。

脳科学的に「頭がいい」の定義
筆者が考える「頭のいい」の定義とは「反射力が的確」であることと言っています。反射力とはその場に応じた適切な行動が取れる能力のことです。アメリカのバラバシ博士の実験(携帯電話の位置情報履歴から)によると、ヒトの行動パターンの80%は、おきまりの習慣に従っているということがわかりました。実はヒトは自分の意思で自由に行動しているようで、現実は無意識に活動パターンは常同化しているそうです。つまり、ヒトの「真の姿」というものは、無意識の自分(=クセ)といっても過言ではないでしょう。このことから、日頃の無意識の自分が、私たちの反射力を養っていると言えそうです。

 

【実行したい点】
■効果的な勉強法
出力(アウトプット)重視の勉強法が最も効果的であるということ。入力と出力の繰り返しが長期的に安定した情報を保存できるということが実験により実証されています。例えば、資格試験などは参考書を読み込むより、問題集を繰り返しやる方が得点アップの近道とよく言われます。要は情報は何度も入れ込むより、何度も使うことが学習効果が高いということです。参考にしたいです。

■アイデアに煮詰まったとき
イデア着想の王道に「怠惰思考」というものがあるそうです。
イデア着想までは、以下のような流れになります。
課題直面 → 課題の放置を決断する → 休止期間をとる → 解決策がふと思いつく
※アイデア創造のためには相応の熟成期間が必須となります
※課題には一通り目は通すことも大切です


■身体運動を伴う学び方
(マウス実験より)受動的な活動より、能動的(身体性を伴う)活動がニューロンを10倍強く活動させていました。つまり身体性を伴う学習方法は科学的に効果が高いと言えます。
この例より、ただ本を読むより、発声、書く、聴く(NLPのアンカリング活用もいいかも)など身体性を伴った学習方法が脳を活性化させるので今後実践したいです。

 

【まとめ】

脳を効果的に使うためには「よい反射(クセ)」を身に付けることである。そのためには過去にどれだけ「よい経験」を積んだかが重要である。そして、その「よい経験」こそが脳を最大限に活かす生き方といえる。

(補足)「よい経験」とはどのようなものか、本書では記述されていませんが、私は良識なものを知る、観る、聴く、よい人と付き合うなどと解釈しています。